かわら版担当のレース参戦記 第3戦富士

 スーパーGT第3戦富士は以前500kmだったものが今シーズンは400kmとやや距離を縮めて開催される事になりました。ドライバー交代2回が義務となっており、第3ドライバーも登録可能になるなどいつもとレギュレーションに違いがあります。


かわら版担当のレース参戦記 第3戦富士

 今回は66号車の第3ドライバーに1年ぶりの元F1ドライバー、マルコ・アピチェッラ選手を登録、密かにル・マンのための実戦練習をやる事にしたのです。
 また性能調整ですが、前回鈴鹿で完走した88号車についてはウエイト軽減が認められ、30kg減の1115kgとなりましたが、他に2台はそのままです。


66号車ムルシエラゴRG-1
リストリクター27.2mm径×2、最低車両重量1250kg
87号車ガイヤルドRG-3
リストリクター27.6mm径×2、最低車両重量1145kg
88号車ガイヤルドRG-3
リストリクター27.6mm径×2、最低車両重量1115kg

 チームは5月2日土曜日に、富士スピードウエイ2〜4番ピットに3台のランボルギーニを持ち込みました。
 今回はゴールデンウイーク中、そして期間限定の高速道路1000円に大幅割引という事もあり、東名、中央共に高速道路は渋滞が予想されましたが、2日はメカニックもドライバーも渋滞を予測していたので時間的な問題はありませんでした。
 また鈴鹿で実施した搬入日のドライバーズブリーフィングは不評で、今回は従来通り予選日朝となりました。それでも参加受付、マネージャーミーティング、監督会議、GT300エントラントミーティングなど、かなりタイトなスケジュールです。2デイ開催って言っても実質2.5日ですね。


 3日の予選日もかなりタイトなスケジュールでした。公式車検は朝7時30分から、ドライバーズブリーフィングは8時30分から、そして練習走行は9時15分から90分間です。メカニックもドライバーも時間通りにきっちり仕事をこなしていきます。
 ところが練習走行で、88号車はいきなりクラッチにトラブルを抱え、午後の予選までにクラッチオーバーホールをする事になりました。66号車は3人のドライバーが均等に走り、タイムも7番手の1分45秒024とまあまあの仕上がり、87号車は1分46秒台に留まりました。
 練習走行が終了すると11時40分からピットウォークが始まりますが、この間も88号車メカニックのランチ返上の作業は続いていました。


かわら版担当のレース参戦記 第3戦富士

 予選は13時40分から25分間の混走と、それから10分間のGT300占有走行があります。66号車はこの間に3人のドライバーが予選をクリアしなければなりませんが、まったく問題なくクリアし最後の10分で山西選手が1分45秒212で8位、スーパーラップに進出となりました。
 また87号車は井入選手の渾身のアタックで10番手となりました。またクラッチを修復した88号車も16番手でしたが、決勝では上位に行ける状態になりました。
 スーパーラップは、GT300の場合、予選上位8台が、一台ずつ1周のラップタイムを争ってアタックします。午後3時20分、まず予選8番手の66号車、山西選手がアタック。スタートして3周目の計測ラップに1分44秒552という予選自己ベストを上回るタイムを記録しました。その後次々に7台のマシンが計測し、66号車は結局順位が1つ上がって7番手スタ−トが決定しました。
 明日の決勝グリットは66号車7番手、87号車10番手、88号車16番手のスタートになりますが、3台とも上位へ行ける位置にいるので楽しみです。


 5月4日決勝日は8時45分からのウォームアップ走行から始まります。このフリー走行は30分間行われます。
 ここでは3台とも決勝へ向けての最後のセットアップが出来ますが、88号車については16番手という中盤の位置なので、このセッションで速さをアピールし追い抜きを有利にしたいという作戦も練られました。
 88号車松田・坂本両選手は期待通り1分45秒006というタイムで4番手となり速さをアピールできました。これで7番手の66号車、10番手の87号車と共に3台共に表彰台を狙えるポジションとなりました。
 10時45分からはピットウォークがあり、12時5分過ぎからはスタート進行が始まります。今回のスタートドライバーは66号車は山西選手、ついでアピチェッラ選手、そしてアンカーは余郷選手という順序。87号車は井入選手からスタート、和田選手に代わり、再度井入選手でゴールを目指します。88号車は坂本選手からスタートし、途中松田選手、そしてまた坂本選手というオーダーです。
 今回レース距離は400kmでGT500は88周のレース、GT300は計算上82周でゴールを迎える事になります。それをもとにドライバーチェンジを伴うピットインをどこでするか、作戦を立てます。もちろんイレギュラーのピットインに備えてその体制も考えておきます。


かわら版担当のレース参戦記 第3戦富士

 午後1時5分過ぎからの8分間の短いフリー走行の後、燃料を満タンにしてグリッドに向かう3台のランボルギーニ。
 午後2時からフォーメーションラップが始まり、一周してスタートが切られました。ところが6周目66号車山西選手から無線が入り、緊急ピットイン。点検すると、リアディフューザーが脱落し路面と干渉していました。急ぎこれを付け替える作業に入りますが、当然ながら順位は最下位になります。88号車は順調に追い上げ7周目に14番手、12周目に12番手そして14周目に早くもピットインして松田選手に交代しました。
 一方87号車は、序盤は満タンの燃料で思うように順位は上がりませんでしたが、29周目に9位、31周目には8位となってピットイン。和田選手に交代してピットアウトしました。和田選手がコースに戻ると12番手、そしてすぐに11番手となり、それからは自己ベストを更新しながらプッシュしていたましたが、51周目に単独スピンし後続車と接触、ラジエーターを破損してしまいました。ピットインして状況を確認しましたがラジエーターが片方では冷却水温度が上がりエンジンが間違いなく破損するので、残念ながらここでリタイヤとなりました。
 そのころ88号車は38号車と接触しペナルティーを受ける事に。そして2回目のピットインで坂本選手に代わってスタートしようとしたら、エンジンがかかりませんでした。急ぎスターターモーターを交換、戦列に戻ったものの、順位をかなり落としてしまいました。
 長いレースも終盤となり、結局66号車は18位、88号車は19位で完走し、チェッカーを受けました。今回は3台とも不運が重なりましたが、次戦に期待が持てる内容でした。次は灼熱のマレーシア戦です。


かわら版担当のレース参戦記 第3戦富士


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